2012年8月2日木曜日

イ・ハニ、ベジタリアン歴9年「褒められたくてしたことではない」

イ・ハニ、ベジタリアン歴9年「褒められたくてしたことではない」

 

9年間ベジタリアンとして暮らしてきた女優イ・ハニ(29)は、最近渦中の人物となった。2010年に出演したある料理番組で肉を食べる場面が放送され、 後になってこれを指摘した書き込みがインターネットを沸かして記事になったためだ。「制作陣の頼みを断ることができずに食べる場面を撮影したが、後で吐き 出した」とイ・ハニの関係者は説明したが、それでもまだ彼女のベジタリアニズム(動物性食品を排する主義)に疑いの目を向ける人々もいた。

まずイ・ヒョリから始まったベジタリアンに対する人々の関心が、イ・ハニへの波紋でさらに高くなったことは事実だ。4日午後、三清洞(サムチョンドン)のあるカフェで、イ・ハニに“ベジタリアン”としての暮らしについて、話を聞いてみた。

―韓国がベジタリアンとして生活しやすい国ではなさそうですね?

イ・ ハニ:そうでしょうか? はい、そういえばアメリカに行くと多様性に対する配慮がよく見られます。ある角度から見れば少数であるのに、少数でも享受できる権利が多いです。私はビー ガンベーキングに対する関心が高いのですが、韓国ではどうしても不都合が生じることがあります。アメリカには本当に聞いたことも見たこともないものが多く あるんです。私は実はビーガン(乳製品や卵、蜂蜜も食べない完全なベジタリアン)ではなくて、ペスコ(乳製品と魚介類は食べるベジタリアン)です。しかし 妹はビーガンなので、バターの入っていないチョコレート、ライスミルク、アーモンドミルクなど、韓国で買うことができないものを見ると、全部韓国に持って 帰りたくなります。

―ベジタリアンに対する人々の認識はどうですか?

イ・ハニ:最近はヒョリさんのおかげ で、ベジタリアンに対する視線が温かくなったことは事実です。しかしほんの少し前までは「何がそんなに偉いから気難しくふるまうのか」と思う方々も一部い ました。そんな書き込みを読まないようにしていましたが、今回の波紋のために読んでみると、まるで私があるイメージを作り上げるためにベジタリアンでいる と思う人々もいるんですよ。全然そうではありません。むしろ始めたときはマイナスなことが多かったです。私が初めて小劇場でミュージカル公演をしたとき、 私が新しく参加したので出前で酢豚を注文してくれたことがありました。韓国のおもてなしの文化にはお肉が欠かせないので、そんなことがしばしばあるんです が、そんなときに「あの……お肉を食べることができないんです」と言うと変だと思います。雰囲気も悪くなりますし。だから私がこれを通じてイメージを作り 上げようとか、そんなふうに思ったことはありません。

料理番組をするようになったのも、初めは多くの有名人が出る料理番組の提案を受けて 始めました。そうして私のレシピに肉がないから、ビーガンレシピと名付けてみようと提案されて、「悪くないかも」と思いながら始めるようになったんです。 私はペスコではありますが、代表的なものにしてみたのでビーガンというタイトルをつけるようになりました。この他に私がベジタリアンだと大々的にPRした こともなく、むしろ最近ヒョリさんと番組を一緒にやって、私の周りに思ったよりベジタリアンが多いということを知って驚きました。本当にヒョリさんに、感 謝しています。ちょっと前までは気難しい人々がするものと認識されたベジタリアニズムが、トレンディーで、かつ動物保護と自然保護も同時に思い浮かぶほ ど、イメージがよくなったからです。個人的には褒められようと思ったのではありません。非難を浴びたからやめるというものでもないから、私がしてきた通り に暮そうと思います(笑)

―レストランへ行っても要求しなければならないことが増え、説明しなければならないことなども多いでしょうが、面倒ではありませんか?

イ・ ハニ:私の周りの人たちもそう言います。書いておいてそれを見せろと。しかし私がどうしてベジタリアンになったのか説明するのを面倒だと思ったことはあり ません。むしろ私がしていることに対して、考えを分かち合うという面からは利点でもあると思います。私がするから皆がそのようにしなければならないとは思 いませんが、それでもその中の数人は私が勧める本を読んで、ベジタリアンになった人もいて、そういう人たちは、それまでまったく思いもしなかった側面に接 することができたと言います。

―個人の健康のためにベジタリアンになることを選択すると思いますが、実は動物保護など利他的な理由で始める人々が多いようですね。

イ・ ハニ:ベジタリアニズムは、お金があるからスーパーでオーガニック牛乳買って飲みながら自分の健康を守ることとは違う問題です。より根本的なことを思っ て、また行動することが必要です。ベジタリアンになる理由は様々です。人が一人一人まったく違うように、理由も異なります。「ベジタリアンがすごいこと」 とは決して思わないです。ただ個人の健康と環境は切っても切れない関係であるとは思います。

牛肉だけ見てもそうです。ただ放牧して草を食 べて育った牛肉を食べれば、コレステロール値は上がりません。ところが穀物を食べさせて育てた牛はきれいな霜降りになるかもしれませんが、人が食べるとコ レステロールの数値がおびただしく上がります。ベジタリアンや動物保護に関係なく、自然の道理のままにすることが個人の健康を守るためにも良いと思いま す。

―ベジタリアンを始めるようになったのが20歳代前半ということですが、そのころは大学に入って遊ぶのに忙しいときだったでしょう。ベジタリアンということがある面では不便であったとも思いますが。

イ・ ハニ:20歳代の前半はよく遊びました。同時に今の私と比べて、もっと理想家でした。学校に通いながら哲学の勉強をし、複数専攻したかったんですが両親か ら反対されました。とにかくその時期に東洋哲学と西洋哲学に深く興味を持ち、とてもたくさん色々なことを考えた時期でした。その考えを整理しなければなら なくて、実践しながら暮したいと思って、その中の一つがベジタリアニズムだったんです。芸能界の仕事を始めてから、私があのとき実践していた良い習慣の中 でしなくなったものも多いんですが、ベジタリアニズムだけは相変らず続けています。イ・ハニらしい習慣は守っています。


ある人々は私が見 えない所では肉を食べながらベジタリアンだと言っていると誤解していますが、自分自身に対して恥ずかしくてそんなことはできません。今後とも、ずっとちゃ んと守れたらいいなと思うことの中の一つです。しかし人がすることは断言できません。私のホルモンがどんなふうに変わるのか分かりませんし、結婚して妊娠 して肉が食べたくなれば無理に我慢しないつもりです。ただ私が大きく変わらない以上は守っていきます。そしてまだこれをあきらめることになるような、大変 なことはありませんでした。

 

0 件のコメント: