動物愛護運動家達が、フィリピンで唯一のゾウを動物園から開放し、仲間がたくさん居るタイへ送るよう、政府に呼びかけている。
マリは、1977年に当時のフィリピン大統領への贈り物として、スリランカからやって来たゾウで、フィリピンで唯一のゾウだ。
母親から引き離されてフィリピンへやって来てから35年間、マリはずっとたった一人で、他の仲間との交流もないまま、マニラ動物園の殺風景な檻の中で暮らしてきた。マリの唯一の娯楽は、檻の中にある小さなプールだけだ。
長年に渡る狭い檻の中での孤独と運動不足、それに高齢が加わって、マリは心身共に様々な病気・不調に見舞われている。
そう言われれば、確かにマリはどこか悲しい目をしている気がする。
(画像:daily mailより)
動物愛護運動家達は、そんなマリを長年の孤独から開放してタイのゾウ保護区へ送り、他のゾウ達と引き合わせようと、フィリピン政府に要求している。
この運動には、女優のブリジット・バルドーや歌手、作家など著名人が加わったことにより、ここ数週間で大きくなり、ベニグノ・アキノ大統領は先週、個人的に会議を開いて、マリをタイへ移送可能かどうかの調査を関係機関に命令した。
一方、運動家達の方も、タイの検疫所にマリの移送を認めてもらう為に動き出した。
野生で生きるアジアゾウの平均寿命は60~70歳なのに対し、動物園で生活するゾウは、狭い檻の中で生活するストレスや運動不足、肥満などにより、寿命は大幅に縮まり20歳まで生きるかどうかというところだ。
動物園で35年間過ごしたマリに残された時間は、おそらくそう長くはない。このまま檻の中で生活し続けるということは、そのまま死の危機に繋がる。
フィリピン政府はまだ、正式にマリの引退とタイ移住を認めた訳ではない為、動物愛護運動家達は、一刻も早い、マリの開放と移住を、政府に求めている。
【記事:りょーこ】
参照元:daily mail
マイナビニュース [2013/01/25]
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